第5回 ゆっくりでいい
- コラム

🕊 第5回 ゆっくりでいい
「早くしなさい」
「もっと頑張らなきゃ」
そんな言葉が、子どもたちの心にいつのまにか重くのしかかっていませんか。
もちろん、努力は大切です。
でも、焦る気持ちの奥には、
「認められたい」
「喜ばせたい」
という“やさしさ”が隠れています。
だからこそ、焦りは悪いことではありません。
むしろ、それは“まっすぐに生きたい”という心の証なのです。
けれども、その優しさが強すぎると、
「自分はまだ足りない」と自分を責めてしまうことがあります。
そんなときこそ、深呼吸して、こうつぶやいてみてください。
「ゆっくりでいい」
花が咲くタイミングは、花自身が知っています。
人も同じ。
心が整い、芽が出るその時を信じて待つこと。
それが“本当の成長”につながるのです。
私の塾では、授業の終わりに
「今日、自分がよかったこと・頑張ったこと」を話す時間を持っています。
焦りの中にもちゃんと光があることを、
子どもたち自身の言葉から気づいてほしいからです。
「今日もよく頑張ったね」
――その一言が、子どもの心をふっと軽くします。
焦らなくていい。比べなくていい。
今のあなたの歩みが、ちゃんと意味を持っています。
🕊 次回予告
「第6回 見えないところで育つもの」
成長は、目に見えるものだけではありません。
静かに、確かに、心の根っこが育っていく――そんなお話をお届けします。
